テレビと時間と子育てと

私はテレビが大好きだった。

今では一日テレビを一度も見ない日が多い。

子どもたちもテレビを一度も見ない日が多い。

いきなりテレビを見なくなったわけではなく、徐々に見なくなっていった。

小さい頃にテレビを見ることを制限されていたせいなのか、テレビへのかなりの執着が数年前まであった。

大学生の頃は田舎に住んでいて一人暮らし。

特に趣味がないせいなのか、家にいることも好きだったため、とにかく暇さえあればずっとテレビを見ていた。

社会人になって、家に帰ってきてからも暇だったのでテレビを見ていたし、育休中もとにかくたくさん大好きなテレビを見ていた。

夕方にやる子供向け番組がやっている時間は、子育てに疲れ切った私には少しだけ楽ができる時間だった。

ある時、ぼーっとテレビを見ている子どもたちを見て、受動的な時間を過ごしていて、創造的な時間は過ごせていないと感じた。

子どもたちにとってテレビは知らない世界を見せてくれる素晴らしいツールである。

一方で子供の時にしかない、何かに没頭する時間というものが失われていく。

子どもが起きているときに、テレビを見ないことから始め、時間を区切って少しずつ視聴時間を減らしていった。

季節の変わり目に放送時間が変わるのをきっかけに、さらに視聴時間を短くした。

図書館でたくさんの本を借りて、テレビを見ない時間に読書をする時間が増えた。

何かをするときに子どもをテレビから引きはがす事もなくなり、気付けばテレビを見せているのが楽と思っていた頃よりも快適に過ごせるようになっていた。

最終的に私自身も最後まで必ず見ていた夜のニュース番組を見ることをやめた。

子育てしていると、時間がいくらあっても足りなくなる。

自分の本当にやりたいことをやるためには、何かを切り捨てていく必要がある。

子どもが起きている時間は子どものことを全力でやり、子どもが寝ている時間は全力で自分のやりたいことのために時間を作る。

以前までは、子どもが寝ている時間は娯楽のためのテレビを大事にしていたのだが、

「早期リタイヤしたい、人生を豊かにするための読書がしたい」と思うようになり、最終的にテレビを見ることをやめた。

テレビを見ていた時は、好きな番組を見た後、やらなければならない雑務の他に読書、ヨガをやろうとしても、もう深夜近く。

何もやった気がしないので、夜更かし気味になりながら少しだけやりたかったことをやる。

翌朝だるくてなかなか起きられず、スッキリしない。

という悪循環。

人生の時間はたったの4,000週間

テレビを試しにやめてみたら、今までの人生には無かった時間の流れ方を知ることができた。

時間がない

から

時間がある

という感覚に変わった。

思っていた以上にテレビに時間を吸い取られていたのだ。

テレビ時間のコントロールが子育ての快適性を向上させてくれた。

テレビと子育てと限りある時間。

試しに少しだけテレビ時間を少なくしてみると、新しい素敵な時間の過ごし方ができるのではないだろうか。

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